ウェルスナビの「リバランス」について、過去検証してみました。

本記事は別記事 “ウェルスナビ VS 米国株ETF 差がつき過ぎたために、追加調査”の続きです。

 

今回は、ロボアドバイザー最大手““ウェルスナビ(WealthNavi)”のリバランス」について、検証します。

 

 

ロボアドバイザー等のバランス型投資では、ある期間ごとに、「リバランス」という行為をします。

 

例えば、別記事 “ウェルスナビ VS 米国株ETF 長期の過去検証してみました・・”で取り上げたウェルスナビの過去25年間の運用では、下のポートフォリオを維持するように、1ヶ月ごとに、各資産を売り買いし、調整を行っています。

 

 

各資産を売り買いし、調整する行為を「リバランス」と言います。

 

リバランスをしない場合、成績の良い資産の割合が増えていきます。

 

例えば、ウェルスナビの過去の25年間のシュミュレーションで、もしも2008年1月開始時の状態で、リバランスせずに放置した場合、以下のようになります。

 

 

ウェルスナビに組み込まれた米国株ETFが、2008年1月から2017年1月まで抜群の成績を発揮していたおかげで、米国株の評価額の割合が多くなっています。

 

一つの資産に偏るのがリスクだと考え、ある期間ごとに元の状態に戻すのが、リバランスの基本的な考え方です。

 

 

個人でリバランスをするのに、手間がかかることから、リバランスをする際は、ロボアドバイザー等のバランス型投資内で実施するのが、効率的です。

 

つまりは、効率的にリバランス出来ることが、バランス型投資を利用する、長所と言えます。

 

しかし、別記事 “ウェルスナビ VS 米国株ETF 差がつき過ぎたために、追加調査”等で、調査した結果、ウェルスナビの運用成績を良くしている原因は、米国株ETFを組み入れているためと考えています。

 

要するに、米国株ETFの独り勝ち状態です。

 

リバランスとは、その独り勝ちしている米国株ETFをあえて売り、他のさえないETFを買うような行為です。

 

 

そこで、ウェルスナビで運営コスト1%払ってまで、わざわざリバランスをして貰う意味があるのか?・・・・検証していきます。

 

 

検討のもととなるウェルスナビの運用結果↓

ウェルスナビ HPより引用

1992年1月末に1万ドル(米ドル)で運用開始し、以降、毎月、300ドルずつ積み立てた結果です。

 

今回の検討では、上図、赤枠の範囲である、2008年1月から2017年1月まで検討します。

 

赤枠の範囲で、ウェルスナビに組み込まれた、米国株ETFは、他のETFよりも成績を伸ばしています。

2008年~2017年1月のウェルスナビの運用結果↓

 

そして、2008年1月以降、リバランスをしない場合は、下図のようになります。

 

2008年1月以降、リバランスしない場合の運用結果↓

 

 

あらら??(私の予想に反して、)リバランスした方が運用成績が良かったです。

 

〔同じ運営コストでの比較〕 リバランスあり リバランスなし
25年間の上昇率 (%) 142 138

 

 

 

何故なんだろうと、考えたところ、ウェルスナビへの米国株ETFの組み入れの口数を見たら、答えが分かりました!!

 

 

2008年~2017年のちょうど真ん中らへんの2013年頃に、リバランスありなしの、組み入れ数が逆転しています。

 

 

つまり、米国株が、(金や債券に比べ)割安だった、2008年~2013年頃までは、リバランスによって、多く米国株をウェルスナビに組み入れることが出来ていたという訳です!!

 

リバランス・・・なかなか侮れませんね・・・

 

 

ただし、ここで終わりではありません。

リバランスしない場合、ウェルスナビを通さずとも、各ETFをそれぞれ買い付け積み立てることも簡単にできます。

つまり、運営コストがかからない場合です。

 

リバランスせずに、運営コストがかからない場合の運用結果↓

 

   ウェルスナビ リバランスなし(2008年以降)
リバランスあり
コスト 1%
 コスト 1%  コスト 0
25年間の上昇率 (%) 142  138 157

 

以上の通りです。

貴方の投資判断のご参考になりましたら、幸いです。

 

 

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サクソバンク証券

 

【検討条件】

ウェルスナビ HPより検討条件、引用します。

本記事のデータ取得元は、以下の通りです。
各ETFの価格情報:Investing.com
米国株、日欧株、新興国株の分配金情報:アメリカ株でアーリーリタイアを目指す
*各年の分配金を4等分して、3月、6月、9月、12月に、分配金として割り振り

米国債券、不動産の分配金情報:Black Rock

本記事の分配金の再投資は月末に行っています。

本記事では、ウェルスナビの運用成績と最終結果が一致するよう、2008年1月開始時点での資産評価額を14.45万ドルとして計算を行っています。

 

 

 

マネックス証券 iDeCo

 

 

 

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 この記事へのコメント

  1. […] ウェルスナビの「リバランス」について、過去検証してみました。 […]

  2. […] もう一つ、ウェルスナビでの運用を悪化させている理由があると考えますが、それは後の記事で説明します。(追記) リバランスのことでしたが、私の考えを裏切り、リバランスありの方が成績良かったです→ ウェルスナビの「リバランス」について、過去検証してみました。 […]

  3. […] ウェルスナビの「リバランス」について、過去検証してみました。 […]

  4. […] 図を含んだ記事や比較の記事、あれ、本気で時間をかけて作成しています。(例えば、分散投資に「リバランス」を、効果的に取り入れる2つの方法とか、海外上場のETF 及び株、国内外の証券会社の比較、まとめました!とか・・) […]

  5. […] データの詳細については、別記事“ウェルスナビの「リバランス」について、過去検証してみました。”等をご参照下さい。 (1992年1月に1万ドルで運用を始め、以降、月に300ドルずつ積み立てを行っていった場合の過去検証です。今回の記事では2008年1月以降に着目しています。) […]

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