分散投資に「リバランス」を、効果的に取り入れる2つの方法

この一週間、ロボアドバイザーの最大手“ウェルスナビ(WealthNavi)”の過去検証と原因調査を行ってきました。

その中で、私は「リバランス」という概念を学ぶことが出来ました。

 

 

リバランスとは、定期的に、資産の額面を調整することですが、その本質は、将来的に値上がりが期待出来るものを安値で買うバリュー投資の一種です。

 

バランス型投資でのリバランスには、通常、投資資産の売買を伴いますが、積み立て投資する際に、その都度、各資産に振り分ける資金を変更すれば、個人でもリバランスを利用することが可能です。

 

そこで、今回、ウェルスナビの過去検証で使用したデータを利用し、分散投資にリバランスを取り入れる、2つの方法をご紹介します。

 

データの詳細については、別記事“ウェルスナビの「リバランス」について、過去検証してみました。”等をご参照下さい。
(1992年1月に1万ドルで運用を始め、以降、月に300ドルずつ積み立てを行っていった場合の過去検証です。今回の記事では2008年1月以降に着目しています。)

 

 

方法1

ほとんど、反対の値動きをする資産で、常にリバランスを行う。

 

ウェルスナビで組み入れられたETFでは、米国株ETF金ETFが該当します。

 

 

2008年1月~2017年1月まで、ほとんど反対の動きをしているのが、上の図で確認出来るかと思います。

 

このような資産では、リバランスが最も効果を発揮します。

2008年~2012年までは、金を売って、米国株を買っており、

2013年~2017年までは、米国株を売って、金を買っています。

 

 

こちらについて、ウェルスナビの過去検証と同様の条件で、

2008年1月開始時に、米国株:金 = 50 :50 の割合で、積み立て投資及びリバランスを行った場合が下の図のようになります。

 

 

  〔 25年間の上昇率 (%)〕 リバランスなし
(2008年以降)
リバランスあり
コスト 0  コスト 1%  コスト 0
ウェルスナビと
同じ 組み入れ割合
157  142
米国株/金 = 50/50 170 166 189

 

如何でしょうか

 

米国株ETFと金ETFのリバランスありのパフォーマンス、素晴らしいものがあるのではないでしょうか?

 

別記事“ウェルスナビの「リバランス」について、過去検証してみました。”で、ウェルスナビで1%の運営コストを払ってまで、リバランスして貰う意味があるのか?と書きました。

しかし、米国株ETFと金ETFのリバランスありで、運営コスト1%かかった場合(茶色)とリバランスなしで運営コストなしの場合 (緑色) の差、見て下さい。

 

  〔 25年間の上昇率 (%)〕  リバランスなし
(2008年以降)
リバランスあり 
コスト 0  コスト 1%  コスト 0
ウェルスナビと
同じ 組み入れ割合
157  142
米国株/金 = 50/50 170 166 189

 

わずか、4% (9年間で0.4万ドル)の差まで、縮んでおります。

もし、このような結果、ウェルスナビから示されていたら、私は、何も書けなかったかもしれません・・・・

 

 

方法2

安定している資産と、不安定だが価格上昇が見込める資産とで、リバランスを行う時期、行わない時期を決めて行う。

 

ウェルスナビで組み入れられたETFでは、米国債券ETF米国株ETFが該当します。

 

 

米国債券ETFは利息による安定収入があり、価格はほぼ変わらないのですが、複利運用で実はじわじわと上昇していっています。

 

ただし、本気を出した米国株ETFの圧倒的な値動きには敵いません。

 

 

 

そこで、米国株:米国債券 = 50 :50とするポートフォリオをまず組みます。

そして、米国株が暴落前の価格に戻る2008年~2012年までは、リバランスを行い、米国株を安値で沢山買います。

米国株が暴落前の価格を越した2013年~2017年までは、リバランスを行わず、米国株の価格上昇に任せます。

 

  〔 25年間の上昇率 (%)〕 リバランスなし
(2008年以降)
リバランスあり リバランスあり
→リバランスなし
(2013年以降)
 コスト 0
米国株/債券 = 50/50 194 194 200

 

米国株ETFと米国債券ETFの組み合わせは、リバランスありなしで、利益に違いはありません。

しかし、時期によって、リバランスをするかしないか使い分けることによって、利益を最大化することが出来ます。

 

 

では、分散投資に「リバランス」を、効果的に取り入れる2つの方法、まとめます。

 

方法1

ほとんど、反対の値動きをする資産(投資銘柄)で、常にリバランスを行う。

→リバランスが最も効果を発揮します。

 

 

方法2

安定している資産と、不安定だが価格上昇が見込める資産とで、リバランスを行う時期、行わない時期を決めて行う。

→リバランスを行う時期、行わない時期は、一方の資産の暴落前の価格を元にして考えます。

 

 

以上です。

分散投資をしている貴方の投資にも、リバランス、是非お役立て下さいませ。

 

 

マネックス証券

 

【関連記事】

ウェルスナビの「リバランス」について、過去検証してみました。

ウェルスナビ VS 米国株ETF 差がつき過ぎたために、追加調査

各金融資産が 得する時期、損する時期、一度、整理してみませんか?





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