絶対に上手くいくはずの某 投資案件が絶対に上手くいくはずない理由

今回は、裁定取引に関わる 投資(?)案件について書きます。

ネガティブな記事であり、気のりはしませんが、一人でも多くの方が、この先、絶対に損しないはずの投資案件で騙されないために書きます。

 

目次

1. 裁定取引とは
2. 裁定取引のリスク:ETF編
3. 裁定取引のリスク:FXさや取り編
今回の本題:ある投資家の失敗と真の原因
最後に:私から貴方へ お願い

 

1.  裁定取引とは

 

裁定取引は、別名、「さや取り」とか言われることがあります。

裁定取引というのは、相場の偏り等を利用し、リスクを負わず、利益を得ようとする取引です。

 

例えば、指標と連動したインデックス型のETF(上場投資信託)では、ETFの価格とETFの基準となっている指標との間に価格差が生じることがあります。

ETFについては→ETFを インデックス型投資信託との 数値の比較で、説明します。

この価格差が生じている場合、裁定取引を行う業者は、ETFと元となる原資産(例えば株式一式)との交換によって、利益を得ます。

 

・ETFの価格が高ければ、裁定取引業者は株式一式を取りそろえ、ETFと交換します。そして、ETFを売却します。

・ETFの価格が低ければ、裁定取引業者はETFを買い、株式一式と交換します。そして、株式一式を売却します。

 

このように、裁定取引とは、本来、一致するはずの2つの価格に差があったときに、その価格差を通じて、利益を出す手法です。

 

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2. 裁定取引のリスク:ETF編

 

この裁定取引、一見、リスクを負わない取引と見えるため、引き込まれてしまう方が多いです。(貴方も、これまで一度は、「サヤ取り」という言葉、聞いたことがあるのではないでしょうか?)

しかし、本当に、リスクのない取引なんて、存在するのでしょうか?

本当に怖いのは、リスクがあることではなく、リスクが把握出来ないことではないでしょうか?

 

よく考えてみて下さい。

実は、裁定取引にもリスクが存在しています。

 

先ほどのETFの例で言うと、裁定取引業者はETFと交換出来るだけの大量の資金や取引処理能力が必要です。(株式の売買手数料も裁定取引業者の負担です)

そして、なおかつ、別の業者に先を越されないよう、あるいは相場の変動が起こる前に、急いで、ETFとの交換を実施する必要があります。

 

先越されたら、手数料の分赤字ですし、相場の変動が起こってしまったら、取引した意味なくなった上に損失が発生することがあります。

 

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3. 裁定取引のリスク:FXさや取りトレード編

 

もっと身近な例を挙げます。

FXさや取りトレードと言われるものです。

 

これは、主に高金利通貨のスワップポイント(金利)がFX会社間で違うことを利用した取引手法です。

例えば、「買い」のスワップポイント(→金利収入)の高いFX会社で買い建て玉を持ち、一方で「売り」のスワップポイント(→金利手数料)の低いFX会社で売り建て玉を持ちます。

要するに、異なるFX会社を利用し、両建てを行います。

 

その後、相場変動に応じて、適宜、資金移動をすれば、ノーリスクで、スワップポイントの差額分貰えますね♪・・・という、一見、美味しい手法です。

 

 

この FXのスワップポイントを利用した裁定取引のリスク、何だと思いますか?

ズバリ、長く続けることは出来ないことです。

 

何故なら、この仕組みは、取引を仲介するFX会社にとって、デメリットの方が大きいためです。

買い注文、売り注文、1方向に集中してきたら、コストがかからないようスワップポイントの修正を考えてはならなくなります。

 

そして、FXさや取りトレードの資金を移動してくれるのは、FX会社の社員さんですよね?

いくら無料でやってくれるとはいえ、頻繁な資金移動は、負担になるとは考えないのでしょうか?

 

FXさや取りトレードはいずれ是正されます。

FXさや取りトレードを始めてすぐに、スワップポイントの修正がされてしまい、損失が出るというリスクも視野に入れて始めるべきかと思います。

 

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今回の本題:ある投資家の失敗と真の原因

 

さて、ここからが今日の本題です。

ここまでのETFやFXのスワップポイントの例は、自分で行うことであり、リスクをしっかり認識して行えば、利益が出ない訳ではありません。

 

しかし、投資信託のように、他者に資金を預け、取引会社の価格差を利用し裁定取引で行うといった、投資案件の場合・・・・それは、完全な詐欺です。

絶対に上手くいくようで、絶対に上手くいきません。

 

コイン投資入門――誰でもできる! 宝探し感覚の投資メソッド著者は、以前に、サッカーくじを扱う業者間の価格差を利用した裁定取引で利益を挙げるという触れ込みの海外の私募ファンドへの出資で、1200万円を失ったと告白しています。
(だからコイン投資がいいと言っています。)

 

 

 

はっきり言います。

それは投資対象がいいとか悪いとかの問題を越えています。

完全な詐欺商品であるのが見抜けず、そして、コイン投資の本を書いたときでも、見抜けていないことに大きな問題があります。

 

考えてみて下さい。

サッカーくじを扱う業者からしたら、両社の価格差を利用した裁定取引なんて、絶対に許せるはずがないでしょう?

オッズを必ず修正します。

結果、裁定取引を利用した投資案件は必ず、頓挫します。

 

そのような詐欺商法を見抜けなかった上に、コイン投資の本を出版したときでさえ、詐欺にあった本質に気づけないようでは、正直、投資家としての技量を疑いざるをえません。

コイン投資入門――誰でもできる! 宝探し感覚の投資メソッドという本は、コイン投資について、分かりやすく解説してくれているだけに、一層 残念さを感じます。

 

 

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最後に:私からの貴方へ お願い

 

・・・今後、貴方も業者間の価格差を利用した裁定取引 あるいは サヤ取り で確実に手堅く資産運用しますよ?・・という誘いがあったとしても、絶対に乗らないようにお願いします。

それは、絶対に失敗しますし、意図的にやっていれば、それは詐欺です。

 

絶対に手を出さない、そして、ひとに勧めない

何卒、宜しくお願い致します。

 

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