日本人は、戦後 長い間、アメリカの庇護のもと、平和ボケしていると言われたりします。
しかし、(私を含め) 日本人の安全への軽視の意識は、もっともっと根が深いのではないか!?・・と40年以上前に書かれた ある本を読んで考えさせられてしまいました。
日本とパレスチナを比較するとき、私は、「神よ、これは余りに不公平です」といわざるを得ない。日本人を、ユーラシア大陸から少し離れた箱庭のような別荘で何の苦労もなく育った青年と見るなら、ユダヤ人は、ユーラシアとアフリカをつなぐハイウェイに、裸のままほうり出された子供である。日本人は戦争を知らない、いや少なくとも自国が戦場になった経験はない、と言えば、多くの日本人は反論するだろう。だがその反論自体が、日本人の、たぐいまれな恵まれた環境を物語っているにすぎない。
ー中略ー
いや、日本にも戦争時代があった。戦乱相つぐ百年があったと言われるかも知れない。しかし あの程度のことなら、中東では、実に三千年もつづいた状態のうち、比較的平穏だった時代の様相にすぎない。秋になって農民の取り入れが終わると、今度は遊牧民が取り入れに出かける。すなわち農村を襲って収穫と家畜のすべてを奪い、抵抗する者と動けない者は殺し、動ける者は奴隷としてつれ去る。運べないものは火をかけて焼き払い、そして追跡不能な砂漠へと姿を消してしまう。この行事は三千年以上昔のギデオンの時代から、二十世紀まで連綿とつづいている。
日本人とユダヤ人 4章 別荘の民・ハイウェイの民 より引用
冒頭、引用から入りました。
日本人ははるか大昔から平和で恵まれた環境にある(ので、羨ましい限り)!という指摘ですね。
・・という訳で、前回の記事“投資で損する日本人 多いのは、日本人の気質もある?前編・時間感覚”に続きまして、日本人とユダヤ人 を参考に日本人の投資感覚について記載していきます。
今回のテーマは、“危機意識”です。
日本人とユダヤ人 、もう少しだけ 関連部分、引用します。
(本当は全文引用したい位、興味深いことが書かれています)
さてこのような日本人が、日本人の基準で、戦前、「わが国未曾有の国難」といった蒙古襲来も、ユーラシア大陸の国々の基準では、当然のことながら記録に残らない小事件なのである。
ー中略ー
この程度のことなら、ユーラシア大陸では文字通り年中行事であった。戦前の軍部や青年将校の言動を思い起こしてみると、こういう別荘地でのんびり暮らしていた、世間知らず(というより戦争知らず)のお坊ちゃんが、日清・日露戦争の勝利で頭に来てしまった、という感がする。そして、太平洋戦争の敗北となったわけであるが、この時も国土が戦場となることは免れた。生活の場が戦場になるということがどういうことか、おそらく日本人は永久に知ることはないであろう。
「知らない」ということは何とも致し方ないことである。マリ・アントワネットが「貧乏人はパンを食べれば良いのに」といったと言う。日本人の平和論が、私には同じ響きをもって聞こえてきて致し方ない。
ー中略ー
日本と比べて、パレスチナは一体どうだったか。昔から「陸橋」といわれたこの地は、常に戦場であった。チグリスの巨人は北から攻め下り、ナイルの巨人は南から攻め上がった。海の民は海岸に進行し、あるいは海岸沿いにエジプトに進み、一方ヨルダンの彼方からは絶えず遊牧民がなだれ込んだ。これが実に四千年にわたって間断なくつづけられ、これを詳述すれば、一冊の膨大な書物になってしまうだろう。ここでは簡単に以上のように記しておくにとどめる、それ以外に方法はないから。
何ともすごい歴史だといわねばならない。だが誤解しないでほしい。一国民の捕囚とか全国民の完全虐殺とか恐ろしいことも、何もユダヤ人だけが経験したことではないのである。
日本人とユダヤ人 4章 別荘の民・ハイウェイの民 より引用
如何でしたでしょうか?
日本人の危機意識のなさ、貴方も何か思い当たったのではないでしょうか?
私は 投資関連でも、書籍やブログを読んで、何でそう考えるのかわからなかったこと 少なからずあり、日本人とユダヤ人 を読んで、色々、納得出来ました。
私が疑問に思っていたこと、列挙します。
・安全資産=特に不況時、インフレ時のお金儲けの手段 と考えている
⇒戦争等で 他の資産がなくなっても、何とか生きていけるための万一のための資産と考えるのが、大昔からの世界基準なんじゃないでしょうか??
・保険商品はリスクの少ない投資商品だと捉えている
⇒保険商品はあくまで保険と捉えるべきであり、投資手段ではないです。(投資と考えると、お金がほとんど戻らない 分の悪い賭けであり 割に合いません)
・安全資産も含めた分散投資やポートフォリオの構築=常にお金を儲けられ続ける手段 と考えている
⇒戦争等で、収入源・資産がなくなっても、何とかしていける手段です(同じことをいっているようで同じじゃないのです)
・安全資産を“現物で持つ”という意識が欠けている
⇒預かってもらって、万一のとき、急いで取りにでもいくつもりなのでしょうか?
・ブログ等で 堂々と、自分の資産、特に安全資産に該当するものの種類・保管場所・金額 等を公言している
⇒こちらについての私の考え:昔からある、有効な セキュリティ対策 取り入れてますか?
・・・例を挙げると、きりがなくなります。
危機意識の甘さによっても、日本人が投資で負け続けているのではないか?と推察しました。
1つ目の例 “安全資産=特に不況時、インフレ時のお金儲けの手段と考えている” について、もう少し詳しく説明します。
前回記事の次回予告で触れましたが、実は、近年 主に日本で巻き起こっていたバブルは仮想通貨だけじゃないのです・・
金貨 についても起こっています。
バブルのきっかけは↓の本 (2012年)
こちらで、アンティークコイン(金貨、銀貨等)が日本で注目されるようになりました。
・・・で、数年後の2016年に出版された↓の本でも、更に、バブルは拡大して・・
アンティークコインというのは、昔の歴史あるコインのことですが、日本では、まだ新しいコインである、イギリス・エリザベス女王(2世) の若かりし頃のコイン(通称 ヤングエリザベス、ヤンエリ) までも数百万円での高値で取引されるに至っています。
これらの詳しい事情についてもっと知りたい方は、5チャンネル掲示板 金貨収集は危険がいっぱい その35 等をご参照下さい。 (買ってしまった方の怨恨に満ちた書き込みが目立ちます・・・)
金貨、コインの価値をどのように捉えるかは人それぞれです。
趣味として買うこともできます。
しかし、富裕層がアンティークコインを買うのは、余りある資金のごく一部を安全資産とも見なして買っているのであって、その取引で 富裕層の仲間入りをした という方は ほとんどいません。(一握りの投機家だけです)
古来から、金や金貨は、特に戦争で侵略を受け、国外脱出する際の非常用の資金として 価値を見出されてきたという事実、しっかり認識しておいた方がいいと考えます。
これで今回の記事“投資で損する日本人 多いのは、日本人の気質もある?後編・危機意識” は以上となります。
繰り返します。
危機意識の甘さによっても、日本人が投資で負け続けているのではないか?と推察します。
グローバル化が進んだ現代、どんな投資も必ず、世界と繋がっています。
ひとから上がると言われたから買うのでなく、世界基準で、投資対象はどんな存在でどんな価値があるのか? しっかり認識してから、投資を行うようにして頂ければ幸いです。
P.S 願わくば、日本人とユダヤ人 で書かれていたように、日本の地が、私達の生活の場が、戦場となること ないようにしたいものですね? 永久に
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