前回の記事“ウェルスナビ VS 米国株ETF 長期の過去検証してみました・・ ”で、ロボアドバイザー最大手“ウェルスナビ(WealthNavi)”と米国株ETFの長期運用の比較をしています。
結果、改めて載せると・・・
ウェルスナビ↓
ウェルスナビ HPより引用
米国株ETF↓
25年間の運用結果 〔円換算〕 |
ウェルスナビ | 米国株ETF単独 | |
運営コスト:1% | コスト:0 | ||
評価益 (万円) | 1602 | 2064 | 2684 |
ロボアドバイザー等、バランス型投資に懐疑的な私ですらも、驚くほどの差が付いています。
前回の記事だけで終わりにするのには、(私としても)納得出来ないところなので、追加で調査をしました。
大きく差がついているのは、赤枠で囲んだ時期(2008年1月~2017年1月)です。
この時期に、米国株ETF単独が、17万ドル→34万ドルと、資産評価額を2倍にしているのに対して、
ウェルスナビでは、15万ドル→24万ドルと、1.6倍にしか出来ていません。
1992年~2000年の時期も差が広がっていますが、このような差が後々、大きな違いとなって現れていくのだと思います。
この差が何のなのか?
そこで、ウェルスナビの過去検証で組み込まれた、各ETFについて、赤枠で囲んだ時期(2008年1月~2017年1月)の 値動きを見ていきます。
ウェルスナビ HPより検証条件一部引用
ウェルスナビで組み込まれた比率の高い順に値動き(チャート)を見ていきます。
まず、前回の記事の比較で、使用した米国株ETF 銘柄シンボル【VTI】です。
1. 米国株ETF 【VTI】 ウェルスナビでの比率:30.6%
● 2008年1月時点に70ドル弱であった価格は一年で、40ドルへと急落しています。
<一年で43%の下落>
〇 しかし、その後、継続的に上昇を続け、2008年の高値を越え、
◎ 2017年1月には、期間最安値の3倍の価格である、120ドルまで上昇しています!
<最安値から200%の上昇>
期間内では73%の上昇です。
力強い値動きですね!
次、いきます。
2. 米国債券ETF 【AGG】 ウェルスナビでの比率:29.1%
原因は、債券、お前か!!!?(笑)
失礼しました。ちょっと、突っ込んでしまいました。
びっくりする位、値動き安定してますね(笑)
● 2008年1月時点に100ドル強であった価格は一年間で、一旦、100ドルを下回っています。
<一年で8%の下落>
● その後、すぐに回復するものの、特段、激しい上昇になることなく、110ドル程度で推移しています。
<最安値から10%の上昇>
期間内では5%の上昇です。
何となく原因わかりましたが、念のため、他も見ていきます。
3. 日欧株ETF 【VEA】 ウェルスナビでの比率:21.5%
日欧株、お前もか!!!!!!?(笑)
失礼しました。また、突っ込んでしまいました。
いや、これは債券よりも悪いんじゃないでしょうか?
● 2008年1月時点に40~50ドルであった価格は一年で、20ドルへと急落しています。
<一年で55%の下落>
〇 その後も、やや回復するものの、
<最安値からは100%の上昇>
● 停滞を続け、2008年の高値さえも越えられていません!!
期間内では15%の下落です。
はぁ・・・日本の未来は・・・・
ここからは、構成比率は低めですが、もう全部見ていきましょう・・・
4. 金ETF 【GLD】 ウェルスナビでの比率:8.8%
● 2008年1月時点に100ドルであった価格は一年で、70ドルへと下落しています。
<一年で30%の下落>
◎その後、他ETFより回復は早く、2011年に、180ドルへと上昇し、その後、120ドル付近で安定しています。
<最安値から42%の上昇>
期間内では20%の上昇です。
米国株ETFとポートフォリオを組むなら、(この結果だけを見れば、)金ETFでいいのではないかとも思ってしまいます。
5. 不動産ETF 【IYR】 ウェルスナビでの比率:5.0%
● 2008年1月時点に60~70ドルであった価格は一年で、25ドルへと急落しています。
<一年で62%の下落>
〇 しかし、その後、継続的に上昇を続け、2008年の高値を越え、
◎ 2017年1月には、期間最安値の3倍超の価格である、80ドルまで上昇しています!
<最安値から220%の上昇>
米国株ETFと同様の値動きですが、下落幅が大き過ぎました。
期間内では17%の上昇です。
最後に、新興国株ETFです。
実は、私、このETFの積み立て投資始めていますので、どうなっているかは楽しみで最後にとっておきました♪
6. 新興国株ETF 【VWO】 ウェルスナビでの比率:5.0%
こらこら・・・(笑)
日欧株と変わりありません・・・
● 2008年1月時点に50ドルであった価格は一年で、20ドルへと急落しています。
<一年で60%の下落>
〇 その後も、やや回復するものの、
<最安値からは100%の上昇>
● 停滞を続け、2008年の高値さえも越えられていません!!
期間内では20%の下落です。
・・・・(沈黙)・・・
さて、まとめてみます(ごまかし)
各ETFの2008年1月~2017年1月までの変動の様子をグラフにすると、下のようになります。
米国株の力強い上昇が確認出来ると思います。
金も目立っています。
表にまとめてみます。
(%)表示 | 米国株 | 米国 債券 |
日欧株 | 金 | 不動産 | 新興国 株 |
ウェルスナビでの 比率 |
31 | 29 | 21 | 9 | 5 | 5 |
2008年内の 下落率 |
43 | 8 | 55 | 30 | 62 | 60 |
最安値からの 上昇率 |
200 | 10 | 100 | 42 | 220 | 100 |
期間内での 上昇率 |
73 | 5 | ー15 | 20 | 17 | ー20 |
表から分かることまとめていきます・・
(1) ウェルスナビでの構成比率の高い上位3つでは、期間内で、米国株が圧倒的にいい成績を出しています。
そして、他、2つ(米国債券、日欧株)は、期間内では低迷していました。
このことが、ウェルスナビと米国株ETF単独で、長期の運用成績に差がつき過ぎている、主因だと考えます。
(2) 2008年内では、どのETFも下落しています。
何らかの暴落直後、全ての資産の価値は一旦下がることを意味していると考えます。→暴落直後は分散投資の効果はほとんどない
下落率の低い国内債券の構成比率が高かったこと、金の価格回復が早かったことによって、米国株ETF単独よりもウェルスナビが評価損失を抑えられていると推察します。
(3) 米国株ETFは最安値からの上昇率も高いです。
これは、ドルコスト平均法による積み立ての効果も発揮されやすい状況にあったと考えます。
積み立ての効果により、更に、ウェルスナビと米国株ETFの運用成績に差がついたと推察します。
今回のご報告は以上です。
一言でまとめると、米国株、強かった!!!ということですね!
もう一つ、ウェルスナビでの運用を悪化させている理由があると考えますが、それは後の記事で説明します。(追記) リバランスのことでしたが、私の考えを裏切り、リバランスありの方が成績良かったです→ ウェルスナビの「リバランス」について、過去検証してみました。
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