その投資? 強制決済の価格、把握出来てますか?(18年05月版)

今回は、FXやCFD等の証拠金取引の 「買い」戦略で、どの価格まで下がると強制決済されるのか、具体的な価格を挙げて説明します。

本記事、読んで 特に役に立つのは、
長期下落トレンドにある高金利通貨 買いをスワップ金利狙いでレバレッジをかけてやっている方、
・レバレッジ上限の低いCFD取引でレバレッジをかけてされている方
・・です。

当ブログのメインテーマである “お金を管理する”大前提のお話ですので、今後も定期的に配信したいと考えています。

 

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1. レバレッジ上限25倍 高金利通貨編
2. レバレッジ上限10倍 高金利通貨編
3. レバレッジ上限5倍 CFD編
もっと詳しく計算式知りたい方はこちら

 

 

質問です。

貴方の、その投資(?)、見込み利益ばかりみて、行っていませんか?

あるいは、誰かから目安のレバレッジ教えて貰って、そのまま、やっていませんか?

 

もしそうなら、(厳しいこと言いますが、) 今話題のシェアハウス問題で多額の借金を抱えた方々と同じ思考レベルではないかと感じます。

レバレッジをかけるなら、自分が出せる資金量でどの価格まで耐えられるのか、念頭に置いての開始、何卒お願い致します。

 

〔計算の初級編〕

現在のレバレッジ = (レバレッジ上限 × 必要証拠金)÷ 評価損益込みの口座残高

・・で求まります。

 

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<1.レバレッジ上限25倍 高金利通貨編>

 

FXは、現行、レバレッジ上限 25倍です。

各レバレッジで強制決済されずに、耐えられる高金利通貨の各価格を示します。

 

レバレッジ
(倍)
 トルコリラ
TRY/JPY (円)
 南アフリカランド
ZAR/JPY (円)
 メキシコペソ
MXN/JPY (円)
 強制決済の
減価率(%)
 1.0  1.01  0.36  0.23  4
 1.1  3.32  1.17  0.74  13
 1.2  5.24  1.84  1.16  21
 1.5  9.47  3.32  2.10  37
 2  13.69  4.81  3.04  54
レバレッジ
(倍)
トルコリラ
TRY/JPY (円)
 南アフリカランド
ZAR/JPY (円)
メキシコペソ
MXN/JPY (円)
強制決済の
減価率(%)
5 21.30 7.48 4.73 84
 10  23.84  8.37  5.29  94
 15  24.68  8.67  5.48  97
 25
現在の価格
25.36  8.91 5.63 100
過去15年間の
最安値
25.06 6.40 4.87

 

高金利通貨は、長期的には下落相場にあります。
詳しくは→トルコリラ 円の超長期の下落 酷過ぎのため、他の高金利通貨も調査

過去の最安値を突破して、更に下落する危険性はありますので、スワップ金利目的狙いの運用の際は、十分にお気を付け下さい。

 

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<2.レバレッジ上限10倍 高金利通貨編>

 

現在、金融庁は、FXのレバレッジ上限を25倍から10倍に引き下げる検討をしています。

2017年9月27日 日本経済新聞報道→電子版一部が見れます。

低いレバレッジでやっている方は「自分には関係ないし、不幸なひとが減るからいいんじゃ?」・・と思うかもしれません。
(私は不幸なひとの投資に対する思考を変えることが、本当の意味での、不幸なひとを減らすことに繋がると考えます。)

・・しかし、実は、FXをやっている方なら、誰でも関係ある話であることを強制決済される価格で説明します。

 

レバレッジ
(倍)
トルコリラ
TRY/JPY (円)
南アフリカランド
ZAR/JPY (円)
メキシコペソ
MXN/JPY (円)
強制決済の
減価率(%)
1.0 2.54 0.89 0.56 10
1.1 4.84 1.70 1.07 19
1.2 6.76 2.37 1.50 27
1.5 10.99 3.86 2.44 43
レバレッジ
(倍)
トルコリラ
TRY/JPY (円)
南アフリカランド
ZAR/JPY (円)
メキシコペソ
MXN/JPY (円)
強制決済の
減価率(%)
2 15.22 5.34 3.38 60
5 22.82 8.01 5.07 90
10
現在の価格
25.36 8.91 5.63 100
過去15年間の
最安値
25.06 6.40 4.87

 

例えば、現行のレバレッジ上限25倍であれば、メキシコペソ/円で、今後最安値に再び到達しても、レバレッジ5倍まで耐えられるのに比べ、

レバレッジ上限10倍であれば、レバレッジ2倍までしか耐えられないこととなります。

現在、レバレッジ上限引き下げ規制の導入について、FX会社等 関係者と金融庁が議論している最中のようですが、もし、レバレッジ規制が導入されたら、ほとんどの方が資金の積み増しか引き上げを検討せざるをえなくなります。

今から念頭に入れて頂けると、幸いです。

 

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<3.レバレッジ上限5倍 CFD編>

 

CFD取引とは、株式やETFをFX取引と同様に証拠金取引で行うことを指します。

本来、指標と連動したインデックス型のETFは、ほぼなくならないものと言えますが、レバレッジをかけたCFD取引は、強制決済されるリスクが発生します。

そして、FX取引よりレバレッジ上限が低いものが多いことが難点です。
(レバレッジ上限が低いほど、現物取引で購入した方が結局は「投資」の資金効率は良くなります→実は簡単!証拠金取引で強制決済されない金額の算出方法と見える裏側)

 

今回は、レバレッジ上限5倍で示します。

 

レバレッジ
(倍)
世界株式
ACWI
(ドル)
米国株式
SPY
(ドル)
日本株式
1321
(円)
VIX指数ベア
SVXY
(ドル)
強制決済の
減価率(%)
1.0 14.74 54.6 4718 2.65 20
1.1 21.44 79.4 6863 3.86 29
1.2 27.02 100.0 8650 4.87 37
1.5 39.30 145.5 12581  7.08 53
2 51.58 191.0 16513 9.29 70
5
現在の価格
73.69 272.9 23590  13.27 100
過去15年間の
最安値
(23.67) 67.1 7120 (4.88)

*世界株式については、2008年4月から、VIX指数ベアについては、2011年11月からの、最安値です。

 

情報源として需要がありそうな銘柄で例を挙げているだけで、例に挙げた銘柄はお勧めしている訳ではありません。

 

特に、VIX指数ベアへの VIXショート戦略をされている方は、十分にお気を付け下さい。
詳しくは→【2049】たった1日でー96%のVIXベアが償還へ!VIX連動商品の危うさ

 

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<もっと詳しく計算式知りたい方はこちら>

 

ここまで、読もうと思ってくれた方、ありがとうございます!!

その資金管理に対する熱意に、感謝します。

 

なお、「売り」から入る「トレード」では、本記事の 計算式使えません。また、別記事でご紹介します。
*「トレード」と考えるなら、強制決済される前に、自分で損切りするのが、普通と考えますので、機会をみて、いずれ紹介します。

 

 

〔計算の中級編〕

強制決済される価格 = 各レバレッジ上限の減価率(%) × 現在の価格 ÷ 100

・・で求まります。

他の銘柄や今後、価格が変動された時点での購入を考えられる方はご参考にお願いします。

 

 

 

〔計算の上級編〕

他のレバレッジ上限での減価率(%) = 100 ー 100 × (1 ー 現在のレバレッジ  ÷ レバレッジ上限 ) ÷ 現在のレバレッジ

・・で求まります。

* 100 ー 減価率 × 現在のレバレッジ ー 100 × (1 ー 現在のレバレッジ ÷ レバレッジ上限) = 0 ・・から、上記計算式、算出

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・本記事中の2018年5月18日時点での価格情報は investing.com より入手しています。

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  1. […] その投資? 強制決済の価格、把握出来てますか?(18年05月版) […]

  2. […] 今後、20~30年前位の大きな下落起きた場合、レバレッジ:1.5倍でも追加証拠金なしで耐えきれるかは怪しいです。 (利回り考慮しない単純計算では、レバレッジ:1.1倍でも強制決済が起こります→その投資? 強制決済の価格、把握出来てますか?(18年05月版)) […]

  3. […] レバレッジが高くなると、下落時、強制決済のリスクは高まります→その投資? 強制決済の価格、把握出来てますか?(18年05月版) […]

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