今回は、ある経済指標の話をします。
私達が、増税の意義についての説明や投資・保険の勧誘でよく目にする指標です。
政府総債務残高〔対GDP比〕です。
もう少し簡単に言うと「日本(政府)の借金」“〔対GDP比〕”です。
←財務省 2017年資料より引用
目次↓
騙されてる?1:〔対GDP比〕の意味
騙されてる?2:財政健全で悪化
まとめ
「他国に比べて、日本の借金、凄く多いのです!次の世代につけを回すわけにはいきませんよね?」
・・とか言われたら、心優しい貴方は、“増税やむなし!!”と思ってしまうでしょう・・・
*正確には、日本の借金でなく、日本“政府”の借金であることにもご注意下さい。
それとも、投資や保険の勧誘で、
「日本は今、こんなに危険な状態なんだから、投資や保険でしっかり身を護りましょう!!」
・・と言われたら、家族想いの貴方は、勧誘される側の言われるがままに入ってしまうかもしれません・・
でも、ごめんなさい
その認識、間違っています。
政府総債務残高〔対GDP比〕の資料を持ち出して言ってくるひとですら、根本的に指標の意味が分かっていなかったりで、いわば“詐欺”に加担しているようなものです。
話半分で聞くのが一番です。
(私は、自分が一目置いていた投資家の方が政府総債務残高〔対GDP比〕の資料を持ち出してくると、内心がっかりしてしまいます)
・・・では、何故、政府総債務残高〔対GDP比〕の資料が間違いだというのでしょうか?
間違っている理由は2つあります。
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理由1:
政府総債務残高〔対GDP比〕は 純粋な日本政府の借金の金額の推移を言っているのではなく、
・・・・で計算しています。
だからこそ、政府総債務残高“〔対GDP比〕” なのです。
政府総債務残高〔対GDP比〕が大きくなり、悪化するには、
パターンA:日本政府の借金が増える
・・に加え、
パターンB:GDP(国内総生産)が小さくなる。
・・という 2つのパターンがあります。
では、借金はさておき、日本のGDPはどうなっているのでしょうか?
答えは・・
自民党・日本の未来を考える勉強会 資料より引用 *矢印等一部加筆
過去 20年間、GDPは増えていません!!
GDPは減っていっています!!
そして、GDPが減った分、政府総債務残高〔対GDP比〕は大きくなり、悪化しているのです!!
日本政府の借金、水増しされているのです!!
問題にされるべきは、日本の借金ではなく、日本のGDPなのではないでしょうか?
・・・で、本当の日本政府の借金の推移は↓
他の先進国に比べ、低い水準で増加率 推移しています。
日本政府の借金、全く たいしたことはありません。
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理由2:
・・実は、政府総債務残高〔対GDP比〕は、日本政府が借金を減らそうとすると・・・
大きくなるのです!!
大事なことなので、もう一度 言います。
日本政府が借金を減らそうとすると・・・政府総債務残高〔対GDP比〕は、
小さくなりません! 大きくなり悪化します!
え?ナニ?不思議なことを言っていると思いましたか?
大丈夫です。私は正気です(←)
私も仕組み知らなかったら、貴方と同じ気持ちになるに違いないです。
まぁまぁ、とりあえずでもいいので、続き 読んで頂けると嬉しいです。
GDPの仕組みから説明します。
GDPを、海外の影響を除き、簡単に表すと、下の図のようになります。
GDP・・・別名、“国内総生産”とも呼ばれますが、需要と供給の関係から、需要(消費)が減れば、供給(生産)も減り、反対に 需要が増えれば、供給も増えます。
*実際には、輸出・輸入や 需要と供給のタイムラグの影響も受け、需要と供給の金額は若干変わってきます。
消費の仕方には、大きく3種類あり、
1.家計消費 ~私達が暮らしていく際の消費です。
2.企業消費 ~企業が設備投資、消耗品購入 等をしていく際の消費です。
3.政府消費 ~日本政府が公共事業、医療費、年金の補填 等々で使っていく消費です。
・・・で、政府が 自分の借金を減らす為に、公共事業、医療費、年金の削減をしたとします。
すると、政府消費は減ります。
政府消費が減ると・・・GDPは↓の通りに動きます。
すなわち、GDPは減少します!
(実際は、政府がお金をけちると、企業・家計の消費にも悪影響を与えるため、GDPの減少幅は上図以上となります・・・)
では、反対に、政府が 公共事業、医療費、年金を増やし、自分の借金を増やしちゃったとしましょう!
政府がお金を多く使い、政府消費が増えると・・・
なんと、GDPが増えます!
(実際は、政府がお金を惜しまず使うと、企業・家計の消費にも良い影響を与えるため、GDPの増加幅は上図以上となります!!)
ここまで宜しいでしょうか?
では、肝心の日本政府の借金〔対GDP比〕の動きについてです。
GDPの説明では、もとのGDP=1000兆円としました。
政府総債務残高〔対GDP比〕=200%とすると、
上の計算式から、政府債務残高・・・つまり、日本政府は2000兆円の借金をしていることになります。
では、政府が 自分の借金を減らそうと、公共事業、医療費、年金の削減をしたとします。
政府消費が100兆円削減されるとき、 GDPも100兆円削減されます。
日本政府の借金を減らした場合の政府総債務残高〔対GDP比〕は↓
借金減らすと、政府総債務残高〔対GDP比〕は大きくなり悪化します。
逆の場合も説明します。
政府が 公共事業、医療費、年金を増やし、自分の借金を増やしちゃった場合です。
政府消費が100兆円増えるとき、 GDPも100兆円増えます。
日本政府の借金を増やした場合の政府総債務残高〔対GDP比〕は↓
借金増やすと、政府総債務残高〔対GDP比〕は小さくなり、改善します!!
・・・ここで、もう一度、財務省の 資料を載せます。
財務省の言っていること、あべこべだと思いませんか?
“日本が財政の健全化を他国より着実に進めた結果、
政府総債務残高〔対GDP比〕は最悪の水準となっている”
・・が、正しい表記なのではないでしょうか?
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投資家でも騙されてる!?日本(政府)の借金〔対GDP比〕を解説! まとめます。
1.政府総債務残高〔対GDP比〕は、日本のGDPが小さくなれば、大きくなり悪化します。
問題とすべきは、借金でなく、世界最低水準のGDPの成長率です。
2.政府総債務残高〔対GDP比〕は、日本政府の借金を減らそうとすると、逆に、大きくなり悪化します。
政府総債務残高〔対GDP比〕を小さくするには、日本政府が公共事業等を積極的に行い、借金を増やすことしかありません!
本記事、如何でしたでしょうか?
増税の説明や投資・保険の勧誘に騙されないようになれば、幸いです。
も~し、今後、金等の安全資産への投資や保険の備えが大いに役に立つとしたら、
“日本(政府)の借金について、誤った世論が続き、増税・公共事業削減等が継続する状況”だと思っています。
しかし、安全資産を持ったとしても、治安の悪化で自分や家族の身を護れるかは定かではありません。
自分や家族の身を護っていくためにも、間違った認識、改めてはいきませんか?
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